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青年会議所とは? 理事長所信 役 員 組織図
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理事長所信
理事長 吉澤 芳之

はじめに

 私自身、小田原の地に生まれ育ちこの上ない幸せと誇りを感じております。海が有り山が有り、溢れんばかりの自然が織り成す見事な景観−。
 現在の厳しい経済状況の中では「地域の活性化」と呼ぶには程遠く、地域経済もここ数年下降線を辿っております。しかしながらこのまちは西さがみの中心として地域再生を遂げなくてはなりません。その地域再生の一端を担う団体として我々社団法人小田原青年会議所は日々運動展開しております。青年会議所の運動とは「明るい豊かな社会」の実現を目指し行動し、そして多くの市民の方々に広く発信して行く事。
 では「明るい豊かな社会」とは何か。きっとメンバー一人ひとりに違った答えがあると思います。私が考える「明るい豊かな社会」とは、まち中に笑顔が溢れ、私利私欲に捉われずに相互扶助が当り前に出来、そして人々の心が満たされているそんな社会です。そんな私達の理想社会の実現に向けて、我々は運動を続けていかなければなりません。その運動が地域の為、家族の為、自分の為になり地域活性化の第一歩となるのです。そして何よりも忘れてならないのは、私を含めメンバー一人ひとりが我々社団法人小田原青年会議所の活動エリアである小田原、箱根、真鶴、湯河原この一市三町を愛し、より良い地域にしていきたいと考え青年会議所に入会した事です。
 本年度、社団法人日本青年会議所の最大規模の事業である全国会員大会が、この地では初めて、また神奈川ブロック内としても45年ぶりに第59回全国会員大会小田原・箱根大会として開催されます。この全国会員大会小田原・箱根大会は行政や地域の諸団体との連携を深め、更には市民の方々とも一体となりまちぐるみで構築して参ります。結果、この地域の力が一体となる事でより良い地域の創造が見えてくると共に、地域のブランドを全国に発信して必ずや地域再生を遂げられるきっかけになると信じております。そんな強い信念を持った団体が社団法人小田原青年会議所であり、我々は地域のリーダーと為るべく責任と覚悟を持ち運動に邁進していかなければなりません。明るい豊かなまちの未来の為に、JAYCEEの力を結集し大きく飛躍する年とします。

託された襷を受け取って

 1958年小田原青年会議所創設、また1970年社団法人化され今まで52年間毎年襷を受け継ぎ、事業を通じて地域問題に積極的に取組み、常に新しい挑戦をし続けこの地域社会に貢献して参りました。そして本年度社団法人小田原青年会議所に新たな歴史が刻まれます。

 2007年3度目の挑戦、帯広の地で開催された第56回全国会員大会帯広大会において全国会員大会の主管青年会議所の決議を得るまでには数々の困難、計り知れない程の先輩諸兄や多くの同志のお力添えを頂きました。この頂いたご尽力に応える為、また恩返しする為にも社団法人小田原青年会議所全メンバーの力を注ぎこの大会を大成功に導かなくてはなりません。この大会では全国から訪れるメンバーに大会を通じてこのまちの歴史や文化を感じて頂き小田原、箱根、真鶴、湯河原に有る日本特有の美しい原風景を観望して頂きたい。更にこの地域は昔からの宿場町として、そして今では日本でも有数の観光地として栄えている事から、元来そこに根付いている人々を癒す「おもてなしの心」を感じて頂きたい。またこの小田原の地で生まれた二宮尊徳の報徳の教えこそが日本人が本来持っている美しい心であると考えております。ここ近年、日本人には伝統的な精神性に基づくこの美しい心が失われつつあると思います。そこでこの大会を迎えるにあたり、小田原の地から全国のメンバーにこの地域に根付く美しい心を感じて頂く事が何よりの願いであります。またこの大会を通じて全国のメンバーが体感した事を各地青年会議所に持ち帰り運動展開をして頂く事で美しい心を全国に伝播出来ると信じております。更にはこの大会を契機に、この地域に住む市民の方々も今よりも思いやりの心とおもてなしの心が溢れ、この一市三町が今まで以上に世界からの観光客を感動させる事が出来ると確信しています。

 誘致段階からご支援ご協力頂いた地域行政や各市民団体、或いは地区、ブロックの同志からの期待に応える大会。社団法人小田原青年会議所先輩諸兄の夢をかたちにする大会。更には全国のメンバーに美しい心を感じて頂く大会。2010年第59回全国会員大会小田原・箱根大会は、そんな大会を目指し構築して参ります。

必要とされるJCを目指して

 我々、社団法人小田原青年会議所の運動がどれだけ市民の方々に理解されているのか、また必要とされているのか。むしろJCを知らないといった人の方が多いのではないでしょうか。社団法人小田原青年会議所は半世紀以上に渡りこのまちをより良くしたいと日々活動を続けているにも関わらず、まだまだあまり市民の皆様に認知されていない現実を感じる事が多々有ります。隣近所に聞いてみると「JC?どこかで聞いた事があるような」「青年会議所?何となくなら知っている」とそんな答えを耳にすることがあります。
 では、もっとJCの活動を広く理解して頂くに為にはどのようにすべきか。まずはメンバー一人ひとりが身近なところからまちづくりに取り組む事が大切だと考えます。我々はこの活動エリアである一市三町はもとより、この国をもっと良くしていきたいとまちづくり運動をしておりますがそれは大枠であり、まず初めに最も小さな社会である家庭や、自分の住んでいる自治地区などからも取り組むべきだと思います。自分の住んでいる地区ではどのような問題があるのか。自治会などにも積極的に参加しJCとして何か出来る事はないのか、あれば協力させて頂く、その諸問題を行政に伝える、そんな事も我々は出来るはずです。そのような地道な活動が各自治地区で行われるようになると隣近所にも身近に感じられるJC、市民にも求められるJCとなり自然と認知度も高まるはずです。決して認知度さえ高まればいいという訳ではありませんが、高まることによって我々が行うまちづくりとしての事業にも市民の方々が興味を抱き積極的に参加して頂けるのではないでしょうか。そこでJCの事業にもより一層の理解を深めて頂けます。理解が高まる事によって、更に自分たちが行っているまちづくり運動を推進しやすくなりますし、協力も仰ぎやすくなるはずです。その為にも自分の一番身近な所から活動していく事をメンバー一同心掛けて参ります。

地域の連携を強固なものに

 この地域には数多くのまちづくり団体があり、多方面に渡り活躍されております。各諸団体は普段はそれぞれの団体がそれぞれの活動を通じて地域に貢献し、住みやすいより良い社会の構築を目指しており、その一翼を担う団体として我々社団法人小田原青年会議所も活動をしております。この各諸団体の活動はその多くが別々に行っておりますが、目指す先はこの地域をより良くしたい活性化させたいといった同じ目的だと思います。それぞれの特性を活かし、それぞれの手法でまちづくりを行う事ももちろん必要ですが、時には社団法人小田原青年会議所と各諸団体が今まで以上に手と手を取り合い、更に連携を深める事で今までにない力を発揮出来ると考えます。そこから行政や市民とのネットワークをより深く構築出来、住みやすく活気溢れるそして誇れる地域に変わると信じております。
 そして各諸団体が一体となるチャンスが本年度行なわれる全国会員大会小田原・箱根大会にあると考え、この大会を契機により一層の地域の連携を深められるように活動して参ります。

拡大 自分自身の成長 200人の青年会議所へ

 今日の厳しい経済状況の中、会員拡大は難しい状況に置かれております。しかしながら会員拡大こそがJCの根源であり、即ち地域の活性化に繋がる事を理解しなければなりません。何故拡大が必要なのか。メンバー一人ひとりがその重要性を理解しなければ拡大など出来るはずが無く、勧められた人にも何一つ伝わりません。自分自身が一生懸命JCの運動を行っているメンバーであるならば、確実に胸を張って会員拡大に取り組めるはずです。何故ならJCの運動を理解し、まちづくり運動に取り組む事が、結果的には自分自身を成長させたと実感出来るからです。
 私自身JCに入会した当時はまちづくりとは何か、ひとづくりとは何か、一体何をしている団体なのか、本当に地域に必要とされているのか、分からないというよりも、分かろうともしていませんでした。そんな日々が続きましたが、ある一つのきっかけにより自分自身の青年会議所に対する考え方や取り組みが大きく変わりました。そのきっかけとは2005年の全国会員大会誘致活動でした。このまちで社団法人日本青年会議所の中でも最大規模の事業を誘致しようという活動の中で、改めてまちづくりに興味が沸いてくるようになりました。その誘致活動を通じて、まちの魅力、まちの問題点を再度見直すようになり、自分が好きで住んでいるのにも関わらず、今まではよく知らなかったこのまちのことをもっとよく知りたいと思うようになりました。教育の事業、政治に関する事業、その他様々な事業を通じてこのまちの事を深く理解出来た事は私の人生において大きなプラスになりました。
 また、JCの魅力の一つに「同じ志を持ったメンバーが一つの目的に向かい運動していく」という事が挙げられます。そこには今まで感じた事の無いような達成感や充実感があります。この経験をこの地域に住む一人でも多くの青年に体験して欲しいと思いますし、体験できるチャンスがまさにJCなのです。まちづくりをする人間は一人でも多ければ多い程このまちを良くする力が大きくなります。そこで現在100数十名のメンバーから200名になる青年会議所を目指し、メンバー一丸となって会員拡大に努めて参ります。特に本年度は全国会員大会が小田原・箱根の地で開催され、主管青年会議所としてまたとない経験の出来る絶好の機会でありますので、社団法人小田原青年会議所では多くの青年に素晴らしい体験をして頂きたく、一人でも多くの会員拡大を進めてまいります。

報徳の精神(こころ)を呼び起こす

 この小田原の地は二宮尊徳の生誕の地であり、二宮尊徳は全国に報徳仕法を広めて参りました。この報徳仕法は全国各地で財政再建に用いられ多くの実績を残しております。報徳仕法の中にある報徳の精神には、至誠、勤労、分度、推譲という日本人が古来より持ち合わせている美しい心があります。では美しい心とはどんな心でしょうか。例えば自分本位に生きるのではなく、他人を押しやること無く、相手の身になって考え他を思いやることが出来る。そんな心ではないでしょうか。本来人間は生まれた時から皆が美しい心を持っておりますが、成長すると共に薄れていく感が否めません。
 その美しい心をメンバーに、或いは地域市民の方々に今以上に思い起こして頂く為に今年度ふるさとの偉人二宮尊徳に関する事業を行い報徳の美しい心を学び、地域全体として報徳の精神を呼び起こせるような事業を積極的に展開して参ります。

心の教育

 現在の教育と私が受けてきた教育では異なる事が多く感じられます。そんな違和感があるのは私だけではなく現在30代後半を迎えている方々なら少なからず感じているのではないでしょうか。時代と共に社会や教育も変わっていきますが、ここまで教育そのものが変わるとは想像もしていませんでした。
 またここ数年、私が幼少だった頃には考えられない目を覆いたくなる悪質な青少年の犯罪が増加の一途を辿っております。今後20年後、30年後を考えてみて下さい。そこにはきっと恐ろしい現実が待っています。ちょっと近くに遊びに行くだけであっても親は心配してしまう。何故このような時代が訪れてしまったのか。今、子ども達に何が足りないのか。またその足りない何かとは子ども達だけのものなのか。子ども達に責任があるのか。私は心の教育が子ども達に足りないと考えます。そして子ども達に心の教育を出来ない大人にこそ責任があると思います。心の教育は家庭、学校、隣近所と普段の生活の中でどこでも受けられるはずですが、そんな心の教育を教える大人がいつしか少なくなってきているのではないでしょうか。心の教育とは学力と違い、いくら勉強しても身に付ける事は出来ません。身に付ける為には子ども達に人を思いやる心や、相手の立場になって考える心、または助け合う心など多くを日常生活の中で体験させ、理解をしてこそ身に付く事だと思います。この様な体験は普段の生活の中で簡単に出来る事なのに、何故大人は教えてあげる事が出来ないのか。そんな美しい心を教える事が多くの人生経験をしてきた大人の役割であり責任であると思いますし、そんな事が出来る大人が増えることによって夢や希望に満ち溢れた未来が見えてくるはずです。また、現在の日本の学力低下は世界的に見ても目に留まりますし、他にも教育の問題は山積みです。日本の未来を支えていくのは子ども達なのですから、大人は自分が幼い頃見た夢や希望をこの時代を生きる子ども達にも見せる為にも、今出来ることを真剣に考えすぐに行動に移していかなければなりません。私たちの背中を見て子ども達は育っていくのだから。

責任が人を変え、まちを変える

 人として生きている以上、責任は誰にでもあります。しかし自分自身の置かれた立場を理解し、自分を手本にしている人がいる、自分は人から見られている、そうは分っていても責任を放棄している人が増えている、そんな時代ではないでしょうか。中には責任と自覚を持った人も見られますが、むしろ責任感のない人の方が多いとも思える時代です。地域政治や地域の問題には目も向けずに関心すら無いといった方々が大勢いるように感じられます。しかしこの地域を変える事が出来るのはこの地域に住む私達なのだという義務、覚悟、責任といったものをもっと市民の方々に自覚して頂きたい。人任せでごく僅かな人間だけが様々な問題に取り組んでいるのでは、このまちを本当に良くして行く事は容易ではありません。
 選挙を例にとれば、投票率の低さ一つとっても市民の政治への無関心さが見て取れます。誰が当選してもいい、誰に決まったって何も変わらない、そんな安易な考えなのか。それともただ面倒なので行かない、そんな無責任な考えなのか。自己の判断で投票する事が本来有権者としての義務、責任である事すら忘れている。しかしながら投票という小さな一つの行動から何かが変わるはずです。人としての責任を果たす事が自分を変え、まちを変えるのです。そこで我々社団法人小田原青年会議所では市民がより地域政治への関心が深まる事業を積極的に展開し、市民意識変革の一助として参ります。

地域資源の再生

 地域の魅力とは様々でありますがどの地域にも魅力とは有るものと考えます。勿論、我々の活動エリアである小田原、箱根、真鶴、湯河原にも魅力が沢山有ります。では我々の活動エリアの魅力とは何か。自然、文化、歴史、その他にも様々な魅力が有ります。しかしその魅力を輝かせるのか、曇らせるのか、または活性化させるのか、衰退させるのかはこの地に住む方々次第ではないでしょうか。例えば海岸の浜辺は年々利用者が減り、かつては賑わっていた浜辺が今では見る影もありません。それは小田原だけに止まらず活気溢れていた真鶴、湯河原に至っても同様です。
 地域の資源とは生かさなければほとんどが衰退してしまいがちですので、ここで我々や行政、または市民の方々一人ひとりが地域資源の再生を真剣に考え取組むことで地域の活性化に繋げる事が出来るのではないでしょうか。また自然の再生を行う事はより良い環境づくりにも繋がり今よりも更に住み心地の良いまちに発展し、訪れた観光客にも感動を与えられると確信いたします。本年度は全国会員大会を機として、今まで以上に魅力溢れるまちの構築を目指します。

卒業生として

 私は30歳で入会させて頂き10年間の活動期間がありましたが、正直10年間全力で活動してきたとはいえません。活動に対しては個人個人のスタンスが有り仕事家庭があってのJCだと思います。普段の生活や仕事を充実させる事が重要であり、何でもかんでも犠牲にしてまで活動をする必要は無いと思います。逆に言えば私生活や仕事がしっかりと成り立っていない人が「明るい豊かな社会」を創り上げる事など出来るはずがないからです。しかしながら時として多少のリスクを背負ってでもJCの活動に積極的に参加すべき瞬間があるとも思っております。何故ならJCとは40歳で卒業という限られた時間の中でしか活動できないからです。社団法人小田原青年会議所のメンバーとして活動した期間は、自分の人生の中でも重要な時間であり貴重な経験をさせて頂きました。この経験は今までも、そしてこれからの自分の人生においても大きな影響を与えてくれると思いますし、私の誇りでもあります。
 この誇りでもある活躍の場が私達現役のメンバーにあるのは、先輩諸兄が長い年月をかけ培った賜物である事、また常にJCで活動することに理解を示してくれる家族や社員、そんな皆様に支えられている事を忘れてはなりません。

本年度、覚悟をもって次代に何かを残せるような行動をし、JC運動に邁進する事をお約束申し上げ所信とさせていただきます。


 
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