理事長所信


2026年度 理事長所信
第69代理事長 秋元 洋平

(1)はじめに

 私の人生を振り返ってみるといつも目の前には「前を行く大きな背中」があり「共に切磋琢磨し合う仲間」がいました。
 学生時代、就職活動中に聞かれた質問を今でも覚えています。「あなたには尊敬する偉人や人物はいますか。」そんな質問に私は「父親」と答えました。私は父がほぼ毎日休みなく働く姿を幼いころから見ており、家族のため一生懸命働く姿に尊敬の念と偉大さを感じていたからこそ、その質問の答えに迷うことはありませんでした。それが私にとっての偉大な大人の姿でした。そして私も社会の一員となり生活していく中で小田原青年会議所に出会いました。多くの人との繋がりを得て、素晴らしい仲間が出来ました。私が憧れた一生懸命がむしゃらにまっすぐ進むかっこいい姿がこの青年会議所にもありました。そんな憧れに私も近づけているのか自問自答を繰り返す毎日です。
 私は2011年に小田原青年会議所の門をたたき入会しました。入会の動機は社会経験不足を少しでも補うためというものでした。右も左もわからない私をここまで導いてくれた皆様には感謝しかありません。青年会議所には奉仕、修練、友情の「三信条」というものがあります。この三信条の意味は、青年会議所運動とは、若い人々が集まって自己啓発・トレーニング(修練)を行う場であり、培われた力を用いて地域社会にサービス(奉仕)することです。そして、そのトレーニング・サービスを支える力として、会員全員、同志を貫くフレンドシップ(友情)がある、というものです。この意を理解し、自ら行動する重要性を感じ、地域のため人のためと思い行動出来る青年が多くいるまちは明るい未来を築けると考えます。しかしながら、現代において若者の無関心さや地域コミュニティの希薄化が社会課題として挙げられています。そんな時代だからこそ、まちを想い行動できる若く活発な人財と地域での支え合いから生まれる新たな価値観・アイデアを創出していく場が必要なのです。


(2)未来を担う人財の育成

 青年会議所には友情を育み、自身を磨き、成長に繋がる機会が多くあふれています。
 まずは研鑽を共にできる仲間が多くいます。小田原青年会議所には約40名の仲間がおり、神奈川県内には約1,000名、全国には約24,000名、世界には約145,000名のメンバーがいます。多くの仲間と出会い、研鑽を重ねることでまだ見ぬ自分の姿に気づくことに繋がり、青年会議所ならではの可能性を示します。
 そして、姉妹締結を行っているHJJCC(ハワイ・ホノルル日系人青年会議所)との国際交流事業も継続し、普段の生活では得ることが出来ない異文化交流を通じ国際感覚を養い、固定観念に捉われない柔軟な感性を持てる場を創出してまいります。
 さらに、青年会議所ならではの社会課題を見据え解決の糸口となる気づきや地域の未来を輝かせるためのセミナーやフォーラム、研修事業など多くの機会があります。京都会議に始まりASPAC(アジア・パシフィック・エリア会議)、サマーコンファレンス、関東地区大会、神奈川ブロック大会、全国大会、世界会議等、これらの機会を活用し、自身でも気づいていなかった可能性を見出し、これからの運動のヒントとなる事象を捉えることで会員の成長に繋げて参ります。成長を重ね、新たな価値観を手に入れたメンバーが増え、単に積み重なるのでは無く、織りなす個性が彩りを魅せるように掛け合わさり、更なる発展の可能性を見出せる組織を目指します。


(3)未来を見据えた会員拡大と新入会員育成

 私が入会した当初は小田原青年会議所の会員は約120名でした。現在の会員は約40名と減少の一途を辿っております。近年続いている会員数減少は経済状況の悪化や若者の無関心さ、地域コミュニティの希薄化など様々な状況に起因するものですが、組織の活動を継続していくために会員拡大は必要不可欠なものです。会員拡大を成していくには今まで以上の質と量が必要だと考えます。質とは青年会議所の魅力を理解し、拡大対象者が望んでいる事柄が青年会議所に存在しているということを伝えられる能力であり、量とは今まで以上に多角的な視点からの情報収集とアプローチのことだと考えます。これらを踏まえた会員拡大活動を行って参ります。
 そして、新たなメンバーを迎え育成していく体制に対しても新たな可能性を見出して参ります。基礎となる青年会議所の理念や方針を理解することや、活動や運動の目的を理解させること、メンバーそれぞれの個性に合った役割を与え、成長を実感できる機会の提供をすること等を通じ、小田原青年会議所への帰属意識向上に繋げていきます。


(4)支え合う地域

 近年、自然災害の激甚化・頻発化に対応するため、国民の防災意識向上と、自助・公助・共助のバランスを重視した取り組みが進められています。2011年3月11日に発生した東日本大震災は私にとって衝撃的な出来事でした。連日の報道を目にするたび心を痛めたことを今でも覚えています。2014年、青年会議所の機会で福島に訪れた時に目にした光景は今でも鮮明に焼き付いています。津波の影響により何もかもが無くなった一面を目にし、虚無感と恐怖が交じり合った気持ちに陥ったと同時に自身のまちのことを思いました。海と山に囲まれた自然豊かなこの地域にも起こりえる光景だと思い防災に対する取り組みの必要性を強く感じました。
 地域コミュニティの希薄化が社会課題となっている現代において、非常時の行動には地域の繋がりが必要不可欠です。地域行政との連携による防災対策、地域の方々が防災に対する意識を醸成できる事業、地域活性と防災という異なるテーマを掛け合わせ賑わいを魅せる事業等、あらゆる視点からの事業展開を目指します。


(5)未来をつくる教育

 青年会議所の綱領には「明るく豊かな社会を築き上げよう」という一文があります。
この先明るい未来を残して行くためには家庭・地域・学校・行政や民間事業者等が連携し、多くの地域住民が社会の構成員として責任を持って教育に関わることができる環境が必要だと考えます。教育を取り巻く諸課題は、現代社会を映す鏡であり、学校教育だけで解決できるものではないという認識の下、教育に関わるひとたちだけでなく、様々な人が、子どもの育ち、学びの場の在り方、目指す姿、教育を支える社会の在り方などについて、多様な視点から教育について考えていくことも重要です。
 子どもたちが地域の未来を思い、それぞれが持つ多様な価値観を掛け合わせ、自主性を高めていく機会を提供して参ります。


(6)時代に即した運営が出来る組織へ

 青年会議所には、品格ある青年であれば、個人の意志によって入会できますが、20歳から40歳までという年齢制限を設けています。
これは青年会議所が、青年の真摯な情熱を結集し社会貢献することを目的に組織された青年のための団体だからです。この年齢制限は青年会議所最大の特性であり、常に組織を若々しく保ち、果敢な行動力の源泉となっています。我々は仕事、家庭、プライベート等のバランスを取りながら日々活動を続けています。同じ理念のもと活動はしているものの環境はメンバー個々に様々です。時代に即した形での組織運営を行い、誰もが活躍できる小田原青年会議所を目指します。
 青年会議所には共通のルールが存在します。会議運営方法から各場面においてのドレスコードなど様々です。この基本ルールを早い段階から習得することで、充実した青年会議所ライフを送ることに繋がります。
 時代の流れと共に広報のあり方も変化をしてきました。SNSの発達により人々の情報収集手段がSNSから取得することが主となる時代となり、小田原青年会議所の課題として挙げられる広報力不足という問題を解決していくため、必要な情報が必要な人に届くことが重要であり、情報の受け手が事柄を想像できる効果的な情報発信を行うことで運動の成果を高めてまいります。
 地域のために運動を展開している団体として、事業資金が適切かつ効果的に使われるかどうかの財政面のチェックを行うとともに、定款・諸規定及び社会規範に適合しているかどうかのコンプライアンス面のチェックを行い、適切かつ健全な組織運営を目指して参ります。


(7)結びに

 私は自身のことを特別取り柄のない人間だと思っていました。しかし今では自分にしかないものがあるのではないかと思っています。約15年間の青年会議所活動を通じ様々な経験やかけがえのない仲間との出会いがありました。無色だと思っていた私にこれまでの日々が彩りを与えてくれました。だからこそ今度は彩りを与える番だと思っています。人にはそれぞれ個性があり、多様な個性が交わり合うことで新たな価値を生み出せると信じています。短所を克服することは難しく困難を要します。そこから得られる経験は必ず自信を成長させてくれるでしょう。と同時に自身の個性や長所を磨き上げ、自分自身の存在価値を上げていくことは、それ以上に重要なことだと信じています。私は個々が放つ前向きな個性や価値観が混ざり合うことでそれぞれが高め合い、その行く先には明るい未来が待っていると信じています。私は、小田原青年会議所の先輩諸兄姉が築き上げてこられた功績に感謝し、受け継がれてきた襷を受け取る者として、責任と自覚を持ち、理事長職をお預かりすることをお誓い申し上げ、一般社団法人小田原青年会議所2026年度第69代理事長としての所信とさせていただきます。