はじめに 【意志を持って変革していく】
私たち社団法人小田原青年会議所は半世紀以上この地域で多くの青年経済人によって運営され、数え切れないほど多くの人々の協力を得ながら、明るい豊かな未来を築くため邁進してきました。 そして今、我々は全国会員大会主管というツールを得て、この地域の未来を切り拓くための大きな転機を迎えようとしています。 しかしながら、全国会員大会を主管したからといって何かが自動的に変わるわけではありません。 私たち自身に、このまちの未来を見据え創造していく力が無ければ、なんら変わる事は無いのです。 我々メンバーとこのまちの人たちが、明確なビジョンや理念を共有して運動を推進し力が一つに合わさった時、必ずやこのまちの未来が拓けて、理想とする社会の実現に近づいていくのです。
それでは、我々社団法人小田原青年会議所はこの地域から何を求められ、そして、何をしていかなければならないのでしょうか? 100数十名のメンバーが同じ方向を向いてそれぞれの力を発揮していかなければ、地域からの期待に応えることはできませんし、全国会員大会主管という絶好のツールも効果的に活かすことができなくなってしまいます。 そのためにも策定されてから10年余りを経過した地域ビジョン『世界を感動させる観光文化都市をめざして』を今一度検証し、このまちの未来を拓くために必要な中期ビジョンを明確にし、同時に全国会員大会開催後の道標となるマスタープランの策定を進めます。
我々が強い変革の意志を持って運動に取り組むことで、このまちは動き始める。私はそう信じてJC運動に取り組んでいます。
全国会員大会開催前年度として・・・ 【日本JCの一翼を担うLOMとしての覚悟】
社団法人日本青年会議所 第59回全国会員大会主管の重責を担った団体として、前年度である2009年は、当該年度に揺るぎ無い行動をするための最終準備段階として、着実に準備を進め、責任を自覚した覚悟ある行動をとっていかなければなりません。 まずは、主催者側である社団法人日本青年会議所の活動の一翼を担っているという自覚をしっかりと持ち、その運動に全面的にコミットすることでそこから多くを学び、気付きを得、我々が地域で担う役割を再認識する必要があります。
地域の人たちや他団体、行政などこのまちの未来を創り上げるすべての人たちや、関東地区協議会や神奈川ブロック協議会、そして副主管となっていただけるLOMの方々には、より具体的にどのような形での協力をして頂く事が必要なのかも明確にしていかなければなりません。 共に創りあげる全国会員大会、その共同作業を進めていく中で我々は、「礼を為して敬せず」とならないよう、協力してくれる方々に心から感謝をする気持ちを忘れないよう心掛けます。
10年先を見据えた事業展開 【まちと ひとが 元気になる事業の推進】
全国会員大会開催年度に実施する記念事業を効果的なものとするために、2009年度は着実に我々が掲げるビジョンに向かうそれらの事業の土台を作り上げていきます。 それでは我々が推し進めていく運動はどういったものなのか? 過去から継続し続け成果を挙げてきた事業を疎かにすることなく取り組んでいくことはもちろんのこと、このまちに必要とされる事業を構築していくことを推し進めなければなりません。 単発的、行き当たりばったりの事業ではなく、10年先を見据えた展開を考え、実行していくのは当然のことです。 我々の運動はそうして先を見据えた上で、2010年の“全国会員大会主管”という爆発力を経て、未来に向かって伸び続けていくのです。
【地域コミュニティーをより強固なものに】
各メンバーの地元(地域)単位での事業への取り組みというものも、地域に顔が見えるJC活動に必要なものです。 どんなメンバーがJC運動を推進しているのかが見えると、地域の人たちとの結びつき方はより強固なものになるのです。 また地域の問題点は、そこで生活している者達が率先して解決していくことで、より強く地域愛を育むことにも繋がります。 JC運動はJCメンバーだけで推し進めるものではなく、地域と一体となって進めるものです。 各地域が主となって取り組むものと大きな枠組みで取り組むものを判別して、効果的に事業を推進していきます。
我々の住むこの地域には近い将来、ほぼ確実に大地震が来るといわれています。 そんな時、我々は組織の力と日頃より鍛えしリーダーシップを発揮できなくてはいけませんし、有事の際にどう動き連携して行くべきなのかを、行政や関係する各団体、個々の企業、地域の人々も交えてシミュレーションしていくべきでしょう。 そうして地域と連携して一つのことに取り組むことで地域コミュニティーを強固なものとすることにも繋がっていきます。
【先人に学ぶ、真の日本人への回帰】
現代の子供たちは、多くの大切なものを受け継ぐことができずに、逆に失いながら育ってきてしまいました。それは私たちの世代や、もしくはそれよりも前の世代から失い続けてきたと言えます。
何を失ってきたのか? 敗戦後彷徨するこの国の人々は多くのものを否定され、また本来この国の民としての必要なことや美徳とされてきたことを蔑ろにさせられてきました。 その結果我々日本人は、文化や先人たちが育み伝承し続けてきたはずの精神性、国民性といったものを忘れ去ってしまいそうになっているのです。
我々の住み暮らすこの地域には、かつて二宮尊徳という偉大な先人が生まれ、その生涯を通じて多くのことを伝え、後世の我々にも人間の生き方として大切なことを学ばせてくれています。 日本人として、人間として大切なことを学ぶためのスキルは、この地域に元来根付いているはずです。我々にはこの地域ならでの取り組み方で、本来持っていた誇りと国民性を取り戻そうではありませんか。
【この地球に生まれたものとして】
また、この地球から“預かっている”自然を次代以降につなげて行かなければならないという責務をこの地球上のすべての人たちは担っています。 地球温暖化に代表される環境問題に対する取り組みも然り、また昔ながらの原風景を出来るだけ後世に残し続けるという取り組みも然り、です。 それらの取り組みは、個々人が常日頃から意識してできること、団体として取り組めること、そして地域の人たちと一体となって取り組めることと、様々なアプローチ方法があります。 いずれにせよ、すべての人々の意識が一方向を向かなければ変革することはありません。 今それらの行動が減速してしまったら、取り戻すことは不可能になってしまうかも知れません。 取り戻し、そして守っていきましょう、私たちが未来につなげていかなければならない宝を。
【次代を築く人財との協力】
このまちやこの国、この世界の未来を考え、行動しようとする若者たちを導いてゆくのも我々大人の役割です。 浜松から発祥し、国内外に広がる『ユナイテッドチルドレン』の取り組みを我々はサポートして行きます。 我々は責任を持って、このまちの未来を次代につなげるべく人財の育成に努め、多くの可能性を秘めた若者たちと協力し、共にこの地球の未来を紡いでいきましょう。
【地域の教育の一翼を担う】
子供たちを育てていく環境は『学校』『地域』『家庭』に大きく分けられます。子供たちを育むために多くの努力をしてくださっている学校に対して、我々地域の団体がコミットできることは何でしょうか? 決して不平不満を申し述べることではなく、共に何かを創造し、もしくは既存のものをより活性化するべくJCとしてのノウハウをそこで活かしていく事にあるのではないでしょうか。 我々は親世代として、もしくは地域で生業を持つ者たちとして、そしてこのまちの未来を切り拓いていく者たちとして、教育の現場にある方々と協力し合い、共に“宝”である子供たちを導いていくのです。
【地域政治への市民意識高揚のために】
地域政治への意識高揚の取り組みは、今後も多岐にわたる観点・手法で継続するべきです。 同時に行政が進めるまちづくりに対して、我々地域の団体が担うべき役割をしっかりと認識し、責務を果たしていかねばなりません。
市民意識変革の手法は、対象者やその目的によって数多くあり、今後はまだ選挙権を持っていないような若年層に対しても、そうした取り組みを行なっていくことを検討していくことも大切です。 また、地域政治だけにとどまらず我が国の法律や仕組みというものに目を向けることも重要なこととして捉え積極的に取り組んで行きます。
【まちの魅力のブラッシュアップ】
私は、この箱根・真鶴・湯河原・小田原はなんと恵まれたまちなのだろう と、常日頃より感じます。 自然に恵まれ、世界に誇れる伝統文化や歴史を持ち、地域のアイデンティティーといえるものに溢れています。 これら地域の魅力をより一層輝かせることで、この地域を訪れる人々を魅了するだけでなく、この地域に住む人たちも、これらの魅力に惚れ直すでしょう。 私たちが愛してやまないこのまちを、もっともっとブラッシュアップしていきましょう。
青年会議所活動をより活性化するために 【誇り高きJayceeの育成】
青年会議所に入会するきっかけは人それぞれです。 しかし、せっかく入会したのですから、自分の力が、このJCの力が、社会を少しでも良い方向に導く一助になったらどんなに素晴らしいことでしょうか。 皆、自分達の運動に誇りを持って行動しようじゃないですか。 もしもJC活動をすることに喜びや楽しさ、達成感を見出せないメンバーがいるのなら、それほど残念で虚しい事はありません。 それぞれ本業を持ちながら、このまちのため、次代を担う子供たちのため・・・と、多くの時間や労力を費やすのですから、明確な目的意識を持って、責任と誇りと共に楽しくJC活動をしましょう。
また、JCメンバーとして、そして青年経済人として、一人の大人として我々は常に見られていることを忘れてはいけません。 メンバー一人ひとりが自覚を持ってJC活動中や日頃からの行動、会社、家庭、そしてプライベートに関わるすべての場面において見られているということを認識し、その見られているという意識が自己の戒めにもなり、それが責任のある大人としての姿につながるのです。 見せかけだけの大人や、見せかけだけのJayceeであることはやめて、常に本質を理解して行動し、自分を厳しく律することが出来る人間になろうではありませんか。
【拡大は究極のまちづくり】
会員拡大や賛助会員拡大はJC運動そのものと言えます。 JC運動や活動のことを理解し、自分の中で消化できなければ、JCを人に勧めることは出来ないでしょうし、闇雲に誘うのは無責任なことになります。 JC運動というものを自分の中で理解できれば、おのずと一人でも多くの人々にこの運動の目指すところを伝えることが出来るようになるでしょう。 そして共に行動することを決意してくれた仲間には、まちづくりへの初心をいつまでも持ち続けられるよう、行動意欲が湧くようなチャンスを提供し続け、共に笑顔でJC運動へ取り組んでもらえるように務めましょう。
【バランス感覚】
全国会員大会主管に向けて準備を進めることと、地域のことを見つめた事業とのバランスを常にとっていくことは重要です。 もちろん、それらは決して別々のものではなく、すべてが繋がって初めて大きな力となるということも併せて理解しなければなりません。 地域の顔が見えてくる事業を行なうということは、メンバーのJC活動への原動力になるはずです。 大きなものに目を奪われ過ぎて、地に足が付いていない活動をすることの無いように。 自分がいる位置をしっかり確かめて。 本質をしっかりと理解し、そして、前へ、前へ。
【組織進化】
ある先輩の有名な言葉に「伝統は革新の連続である」とあるように、社団法人小田原青年会議所は、その時々に応じて組織の形態を進化させてきました。 組織は外部への運動と同時に、内部の充実があって初めて成り立つものです。定款・諸規定などに基づいた運営や、正確な情報管理の徹底を組織運営の機軸とすると同時に、組織の効果的な運営のための各種見直しも推進します。 また、組織進化の上で重要な公益法人格を取得するのと同時に、メンバー個々人も公益法人というものをよく理解することで、我々が行なっていることは何のためになされているのかを再認識するのです。 形だけでなく、実のある進化を遂げなければ意味が無いのです。
【地域の中に常にJCが在るように】
JC運動はその名実ともに認知されることによって、初めて本来の輝きを得ることが出来るようになります。 地域の中に“JCが在るのが当たり前”であれば、地域の声が更に近くに聞こえてくるでしょうし、我々が行なう事業も効果的に実施できるでしょう。 そのためには、より認知されるための地域のニーズにあった事業、より認知されるための広報活動を迅速で正確に行なっていく必要があるのです。 我々の運動を知ってもらうことと、地域の声に耳を傾けることを常に心掛けていきましょう。
【温故知新】
自分は入会以来、多くの先輩方にご指導いただき学ばせて頂きました。 叱咤して頂けるということは大変ありがたいことです。 メンバー全員に勧めたいのは、様々な方法により諸先輩方と深く交わることです。必ずや学ぶべきことが沢山あるはずですし、温故知新の言葉が表すように、先輩方との交流の中からきっと新しいことが見えてくるに違いありません。 我々が今こうしてまちづくり運動に邁進できるのは、先輩方が積み重ねてきたものがあるからなのです。そこからさらに我々自身の中で、先輩方からの教えを自分たちのものとしてから、後輩たちに受け継いで行くのです。
【すべては人の質にある】
このまちのために、この国のために、この地球のために、自分に出来る何かをしたい。 そんな気持ちがたくさん集まったとき、「自分に出来る何か」から、多くの力が集まって「自分だけでは出来ない何か」も出来るようになるのが団体としての運動の魅力です。 このパワーをどう活かすかは“人”にかかっています。すべては“人の質”にあります。 JC活動を通じて人としての“質”を高めていくことが出来るのも、大きな魅力の一つです。
そうした魅力に支えられた力が結集し、一人では成しえないことを達成できる力は、すなわち地域の力となるのです。 青年会議所の力はすなわち地域の力なのです。 我々青年の力で、この地域をより活性化させ、我々が掲げる地域ビジョンを実現させましょう。
我々社団法人小田原青年会議所は、本質を捉え、揺らぐことの無い強い意志を持って行動し、 常にこのまちとひとの元気に繋がる事業展開と人財育成を推進していきます。