小田原・箱根・真鶴・湯河原に在住・在勤の20〜40才までの方ならどなたでも入会できます。
 
 
 
 
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青年会議所とは? 理事長所信 役員・出向者 組織図
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理事長所信
 

第57代理事長 門松 京佑
「はじめに」
 1867年12月、王政復古の大号令により、260年以上続いた江戸幕府に代わって、天皇を中心とする新政府が樹立され、近代国民国家の成立、幕藩制国家から近代天皇制国家へ、鎖国体制から近代国際社会の一員へ、封建的身分秩序社会から近代市民社会へ、自足的幕藩制的経済から世界資本主義体制へ画期的な変化を遂げ、近代化への幕が開かれました。近世と近代を分かつ転換点となった明治維新であります。我々の先人達は欧米列強の経済的・軍事的進出に伴う国の未来を憂い、信ずる国の未来のあり方に議論に議論を重ね、時には対立し戦い、今日の高度経済成長を遂げた平和な日本は存在しているのです。現在の日本国は志ある先人達の行動が調和された結果なのです。
 2040年、我々は歴史上経験をしたことのない時代を迎えることになります。現在、全人口の4人に1人が65歳以上であり、2035年には3人に1人、2040年には65歳以上の高齢者が40%以上を占める自治体が50%に増加すると推計されております。つまり「人口構造の大変化」が起きることになります。人口のバランスが崩れることによって様々な弊害、影響を推測することができるのは言うまでもありません。
 我々青年は責任世代として、このバランスが崩れてしまうであろう日本の未来に対して常に先達の声に耳を傾け、現状を分析、研究を行い、主観でなく様々な視点から物事を把握、行動し、地域の未来、ひいては日本の未来の為に、明るい豊かな社会の実現を目指して行動していかなければなりません。今こそ、真に市民の皆様にとって意味のあることを行っているのか、真に地域の未来にとって必要なことを行っているのであろうか、真理は何なのか、本質を見極め、真の調和を計っていく必要があるのではないでしょうか。

「青年会議所の可能性は無限大」
「子日はく、君子は和して同ぜず。小人は同じて和せず」 孔子(論語)
 人格者は他人と調和はするが、他人に媚びたり流されたりしない。つまらない人間は他人に媚びたり流されたりするが、他人と調和することはしない。
 調和とは、妥協やなれあいではありません。真理に順応することです。我々は、自分の信念・志をしっかりと持った上で他者の考え方を尊重して譲り合う事のできる人物にならなければなりません。
 小田原青年会議所には110名の会員がいます。また、神奈川ブロック協議会には1600名、全国を見渡せば35000名の会員が、更には世界を見渡せば170000名の会員がいます。もし、全てのメンバーが強い信念、高い志、そして思いやりをもって行動し調和した時、きっとこのまちは変わる。また神奈川そして日本、さらには世界も変わると信じています。

「公益法人として組織の確立」
 小田原青年会議所は公益社団法人として新たなる第一歩を踏み出しました。
 制度改革、法の改正に準じただけでなく、公益の本質を把握し、組織の更なる発展に繋げていかなくてはなりません。会計の透明化はもちろん、これまでの様々なプロセスを再検証し、必要なものは取り入れ、不要なものは省き、組織として、またメンバーがいかに効果的、効率的に活動できるのかを主軸に組織のガバナンスを構築して参ります。
 また近年、全国各地にて催し、イベントにて事故・事件が発生しており、責任所在、範囲の明確化が求められております。組織としてのリスク管理を徹底し、安全、安心を第一に運営して参ります。

「地域の未来は教育にあり」
 学力の低下、社会モラルの低下、体力面の問題、精神的活力の低下など様々な教育問題の枚挙に暇がありません。日本国は数多くの国民の権利が尊重され認められている反面、義務においては3項目しか制定されておりません。近年の欧米文化の影響もあり様々な価値観が多様化し認められていく中で、学校教育が徐々に難しくなってきているように見受けられます。同時にここ数十年の社会環境の変化の中、緩和した躾を受けた親世代が更に緩和した躾を行なっている現在であります。子ども達の未来を、大人がつくる社会環境が大きな影響を与えるのは言うまでもありません。未来を担う子ども達のために、今を生きる大人は目まぐるしく変わる社会環境をどのように変化させ、順応させていくのかを慎重に判断していかなければなりません。我々青年が今こそ、この教育が抱える問題に真摯に取り組む必要があるのではないでしょうか。教育とは学校、家庭、地域社会が三位一体となって行うもので、全てが調和してこそ真の教育が成り立つのではないでしょうか。地域の未来はそこに住まう人々によって成り立つもので、そこに住まう人々の能力以上に明るい未来は成り立たないと考えます。地域の未来を作り上げていく人財を育むために地域に即した教育が必要であるのではないでしょうか。
 現在の日本は、かつて世界から賞賛され、また日本人の誇りでもあった「日本固有の美徳」が失われつつあります。戦後の経済至上主義の歩みの中で、個性や自己実現が強調されても、人や社会のために尽くそうという使命感や高貴な志そして奉仕の心、上に立つべきものがもつべき責任感や勇気を教えることが希薄になってきた感が否めません。今こそ日本人の心を取り戻すためにどのような教育が必要なのか、主観ではなく、行政、学校、地域、各教育団体と密に連携を行い、調査研究を行って参ります。同時に、三位一体となったこの地域ならではの地域教育システムの構築を推進して参ります。

「活気に満ちあふれる地域の創造」
 小田原・箱根・湯河原・真鶴それぞれに多くの歴史と文化を抱えております。活気に満ちあふれた地域をこの先継続して創造して行く為には、未来を担う子ども達に郷土に対する愛を育み、地域に伝えられる伝統文化・伝統芸能を継承していかなければなりません。また別の視点から見ると、例え素晴らしい歴史、文化が存在しようと、それに興味、魅力、人が集わなければ、机上の空論となってしまいます。先達から受け継がれた歴史・文化と、今の時代に即した手法を模索し調和しながら新たな価値を生み出す必要があると考えます。
 小田原青年会議所では、2011年より小田原オータムフェスタ、小田原ソウルフードフェスティバルを開催し、社会関係資本の構築、地域のたからの発信をして参りました。本年度は再検証を行い、主観ではなく、行政、まちづくり団体、関係諸団体との連携を密に行い、また全国のまちづくり運動の調査、研究も実施し、手法、プロセスを含めたイノベーションを計って参ります。
 そして、地域の皆様が今どのような社会を望んでいるのか、どのような地域の未来を考えているのかを多くの対話を通じながらニーズを模索し、この地域の歴史・文化に更に磨きをかけられ、地域の皆様が誇りに思える市民参画型事業を展開して参ります。

「人財あふれる小田原青年会議所へ」
 小田原青年会議所は56年の歴史の中で、先輩諸兄が社会の中で必死に培ってきた信頼と実績、そして数多くの指導者を社会に輩出してきました。小田原青年会議所は40歳を定年とし、常に新しい感性と、各々が社会生活の中で培った経験を基に様々な機会を通じ共に磨き合い、地域のため、国家のため、世界のために役立つ人材を輩出して参りました。つまり、人間開発から始まる社会変革を目的とした唯一無二の個性を持った団体、それが青年会議所なのです。最盛期には約200名のメンバーを擁した小田原青年会議所も一時は100名を切りました。しかしながら、ここ数年の拡大の成果によって増加傾向にあります。本年度も、より社会に対し、メンバー一人ひとりが小田原青年会議所の持つ魅力を発信し、拡大をより推し進めていかなくてはなりません。また同時に、拡大の本質を見極め、手法を含めた再検証、仕組みづくりをしていくことが肝要です。これからの小田原青年会議所、ひいては地域を支える一市民となっていく青年会議所メンバーの拡大と、楽しいだけでなく、意味のある交流、研修により一層力を入れ、新しい感性を持つ新入会員と共にメンバー全体で青年会議所の魅力を再認識し、今まで以上に強く発信することが私たちの運動の大きな力となります。人は人とぶつかり合い、触れ合わなくては磨かれることはありません。共に様々な機会を通じ謙虚に学びながら、常に自分の持つ能力を一つ超えた課題に取り組んでいきましょう。自分の会社で一つ失敗をすれば全てを失うかもしれません。しかし、青年会議所では失敗も自分を成長させる糧と成り得るのです。失敗を恐れ何もしない、それでは何も始まることはないのです。大いに失敗しその失敗の中から学び成長に結びつけることができる。それが青年会議所であると信じております。

「小田原青年会議所、地域に発信」
 青年会議所の事業や活動は、多くの市民の皆様の参加参画によって大きな運動となることは言うまでもありません。また、青年会議所運動を広く地域に発信することによって明るい豊かな社会の実現に近づくと信じております。そのためには、ターゲットに対してわかりやすく、伝わりやすい、より具体的な仕組みを考え、発信する必要があります。地域のマスメディアと協力体制を組み、効果的に地域に発信して参ります。また、自ら発信する団体としてインターネットを通じて動画サイトやコミュニティサイト等を有効的に活用し積極的に発信して参ります。インターネットを活用する発信だからこそ声なき声を集めることも出来るでしょう。このような取り組みにより集めた声を他の人に伝えることが出来れば、より大きな効果に繋がります。事業に対してターゲットをしっかりと見定め効果的な発信を行うことにより、更なる事業の昇華へと繋げて参ります。

「結びに」
 時代を乗り越えるのは、その時代を生きる青年の使命である。多くの国民は自分が住んでいる地域や社会に無関心でいられること、政治は本質的な問題を先送りすることが横行し、人の心は他人の痛みがわからなくなっています。困難を乗り越えるのに近道がないこの時代だからこそ、私たちがやらなくて誰がやるのか。喜んでその仕事を引き受けようではありませんか。小田原青年会議所には、それに見合うだけの可能性があります。愛すべき地域のために、誇り高き日本のために、そして夢にあふれた未来のために、自ら何ができるかを問うていこうではありませんか。全ての力が結集したとき、最大の調和が成され明るい豊かな社会が実現すると確信しております。今日まで小田原青年会議所の精神として受け継がれた襷を受け取るものとして、歴史と伝統を重んじ、全身全霊をかけて理事長職を全うすることをお誓い申し上げ、2014年度の理事長としての所信とさせて頂きます。